「洋太さんの大義は、何ですか?」
正直、言葉に詰まった。
昨夜は浅草にある訪日外国人観光客向けメディア「MATCHA」のオフィスに招かれ、会議に出席させていただいたあと、代表の青木優くんと缶詰バーで話していた。
優くんとは、3,4年前に一緒にBUMP OF CHICKEN のライブに行ったことがきっかけで仲良くなり、ときどき会っては最近思うことやこれからやりたいことなどについて話し合っている。
彼は自分の体験から学びを無駄なく吸収し、さらにブログやメディアで発信することで、体験の価値を最大化させている人間だ。思考は理路整然としていて、体験を言語化する能力に長けていて、彼と話すとぼくはいつも頭がスッキリする。
昨日もたくさんの話題が出たのだが、最後に「大義」の話になった。
MATCHAの大義は、「日本の魅力を世界に発信すること」。それは優くん自身の大義でもある。その大義があるから、彼はブレることがない。大義がサービスや諸々のことの指針となり、大義に惹かれて人が集まり、インバウンド業界において、大きな流れを生み出している。
「なるほどね~」と感心していたぼくは不意打をくらった。
「じゃあ、洋太さんの大義は、何ですか?」
パッと出てこない。
「・・・なんだろう」
「学生時代は、ありましたよね」
「あった」
大学4年生のときのぼくは「若者の海外旅行離れを食い止める」という大義を大真面目に掲げて、企業に訴えかけて旅の協賛を集めた。
自分がヨーロッパを自転車で旅して、ブログで旅の魅力を発信することで、ひとりでも多くの同世代の若者に、海外への興味を抱かせたいと考えた。
学生ブログで日本一になったのも、最後まで諦めずに協賛を集めたのも、旅行中毎日ブログを更新できたのも、多くの人が応援してくれたのも、全てその大義があったからだ。大義は使命感を生み出し、不思議なエネルギーをぼくに与えてくれた。
でも、今は何か大義を持って行動しているだろうか。
まったくないわけではないけど、大義に支えられながら日々を過ごしているという意識は、極めて低い。
インタビューをしたり、カメラをやったり、ツール・ド・和菓子をしたり、旅をしたり、それぞれを楽しんではいるけど、結局何がしたいのか、自分でも不明瞭だ。
「好きなことをする」という大義であれば、今の活動でも申し分ないかもしれないけど、果たしてそれでいいのだろうか。それでいいような気もするし、何かが足りない気もする。わからない。
自分の大義は何だろうか、と模索しながら生きてみたい。
それから、大義とビジネスを両立させること。バランスが大切で、どちらかが欠けたら大きな成果は出せない。
これまでインタビューなどで、様々な人に話を聞いてきたけど、想いについて聞くことがほとんどで、ビジネス的な視点の話には突っ込んでこなかった。
それはぼく自身に、ビジネス的な引き出しが少ないから、無意識にその話題にはふれないようにしていたのだと思う。だけど今後はその辺も意識して、人の話を聞いてみたい。
優くんから、多くのヒントを得た夜だった。
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