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【忘れられない世界の風景 Vol.1】6月のプリンス・エドワード島(カナダ)


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「忘れられない風景」という題でコラムを書いてみようと決めたとき、真っ先に浮かんだ風景が、6月のプリンス・エドワード島だった。

カナダ東海岸のセントローレンス湾に浮かぶプリンス・エドワード島は、島自体がカナダのひとつの州になっている。カナダで最も面積が小さく、最も人口が少ない州だ。この小さな島に、世界各地から観光客が訪れる。童話『赤毛のアン』の舞台になったことが最大の理由だ。

しかし実際に訪れてみて、どうもこの島の魅力の本質は、アンではないように思えた。車窓から眺める島の風景が、あまりにも美しかったのだ。それはアンの舞台を訪ねるよりも、遥かに感動したことだった。

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なだらかな赤土の丘陵地帯に、草原の緑、空の青がパッチワークのように広がっている。いたるところに見える古い灯台も味が出ている。そして初夏は、ルピナスという紫色の花が、島のあちこちに咲いている。まるで夢でも見ているかのような風景で、こんな世界が実際に存在するのか、と感じた。

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何もかも忘れて海岸線をドライブでもしたら、きっと最高に違いない。『赤毛のアン』を知らなくても、十分訪ねる価値のある場所だった。だけどぼくは、訪れる前に読んでおいてよかった。

「あたし、もう好きでたまらないわ。プリンス・エドワード島は世界で一番きれいなところだっていつも聞いていたから」

美しい風景を眺めている間、アンの言葉が、何度も聞こえてきた。

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